郡山美容室 「まるでゴーストタウン…」市民が消えたいわき市

福島第1原発の半径20~30キロ圏内の住民たちに呼びかけられた「自主避難」。現在、原子力災害対策特別措置法に基づく「屋内退避」の指示が出されているこの圏内で暮らしている人は1万人超。地元からは「判断が遅い」「言いっ放しは無責任」といった声が出ている。すでに、30キロ圏外の街でも、ゴーストタウンと化するなど、混乱は広い範囲で起きている。

 「これまで屋内退避という無責任な指示しか出さず、決断が遅い」というのは福島県川内村の井出寿一総務課長(57)。川内村は福島第1原発から半径20キロ圏内の富岡町の住民約6千人を受け入れたが、屋内退避指示後「物資が届かなくなり、避難住民の世話もできずにじっとしているしかなかった」。川内村の20~30キロ圏内には 家畜農家や寝たきりの高齢者ら村民約70人が残っている。「これでようやく脱出してほしいと説得できる」と井出課長。

 やはり20~30キロ圏にある南相馬市では25日、市の呼び掛けに応じた市民152人が、集団避難のため、群馬県草津町へ出発した。先に4600人が集団避難を終えており、市としては第2陣の出発となった。市民らは、被曝の有無を調べるスクリーニング検査を実施。福島県や市が手配したバス5台や自家用車で群馬に向かった。

 市の担当者は「国はどのような手だてを取るかも示さず、言いっ放しであまりにも無責任な発言だ。『逃げろ』と指示するなら、そのための燃料を持ってきてもらいたい。市民も混乱している」と訴えた。



 市北部の一部が30キロ圏内に入る福島県いわき市。市の人口34万人のうち、20~30キロ圏内に住むのは約2千人。担当者によると、千人以上が、政府の指示以前にすでに自主避難したとみられるが、安全だと思い戻ってきている人もおり「実際の数は分からない」。

 原発から約50キロのところに位置する、いわき市の中心部。JRいわき駅は普段なら帰宅ラッシュでにぎわう時間帯も人影はなく、改札口と直結している2階デッキには地元ラジオ局の放送が寂しく響く。

 大通りの店は軒並みシャッターを閉め、現金自動預払機(ATM)のみ営業している地方銀行の照明だけが駅前を照らす。

 喫茶店を営む女性は「原発が怖いということで、みんな一斉に避難した。普段ならもっとたくさんの人が歩いているのに。まるでゴーストタウンみたいになってしまった」と嘆く。

 約20店が軒を連ねる商店街で開いているのはこの喫茶店と隣の美容室だけだ。

 街では「実感としては市民の半分がいなくなっている気がする」といった声も聞かれた。

 同市水道局によると、24日現在で市内の半数の約6万5千戸が断水のまま。市関係者によると、福島第1原発の復旧で人手が足りないうえに、「工事業者が県外に避難した」という事情もある。ライフラインの復旧の遅れも、街から人が逃げ出す事態に拍車をかける。

 いわき市の中心街では物流も滞る。コンビニエンスストアの男性店主(34)は「食料を運ぶ業者が放射能を怖がって市内に入ってこない」。店内には缶詰や飲料水が並ぶが、「こちらから取りに行っている」という。「これから出ていく人も多いと思う。いつ元にもどるかなんて全く分からない」と不安そうな表情を見せた。

 いわき市同様にゴーストタウン化している自治体は他にもある可能性が高く、事態は深刻度を増している
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by s_biyou | 2011-04-08 12:58 | 郡山美容室